Diary

日々の出来事、考えたことをつらつらと。。。

シン・二ホン

 現代日本における希望を余すことなく書き記した、非常にポジティブな書籍だった。

 

 この手の本だと、人口が減る、経済が縮小する、都市への流入が増え地方が死ぬ、DXで生産性をというありふれた着地が多い印象がある。だが、一貫して現状を前向きにとらえ、それらが難しくはありつつも解決不可能ではないことをデータをもとに示し、あるべき未来を提示している。

 

メモとして、一部抜粋していく。

 

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 「データ×AI」時代に求められる性質は主に3つ。

①ビジネス力:課題の背景を踏まえ、ビジネスのフィールドで整理・解決する力

②DS力:統計数理、分析、情報処理、人工知能を理解し、使う力

③DE力:データサイエンスを”意味のある形”に実装、運用する力

これらのどれかに軸足を持ち、チームを組むことが理想。

 

 リベラルアーツは「人が持つ必要がある技芸:実践的な知識・学問の基本」

三学:文法学、修辞学、論理学

四科:算術、幾何、天文学、音楽

 

 「知覚」:価値を感じる力をはぐくむ。

 「異人」:人と違う、新しい未来を描き、複数領域をつないで形にする、相談できる人を知っている人

 

 「データ×AI×妄想力」

 

 人口減少 → 生産性の伸びしろ、加工・フォローで経済成長する日本の特性

 

 少子高齢化→ ”高齢者”の再定義や労働の柔軟性を高め、プレイヤーを解き放つ

 

 国際的地位→ 長期的課題。教育・研究分野における投資を促す

 

 「風の谷活動」

 

ほかにも印象の残っている点は多々あるが、これくらいにしておく。

 

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この本を読んで思ったことを、個人、会社員の2つの立場から率直に書いてみる。

A:個人として

 現状、僕が関心のある課題を羅列する。

地域間格差(都市ー地方・地方都市ー過疎地域)

・生まれ、土地柄など先天的な差をなくすにはどうすればいいか?

・資金的、地理的な要素にかかる教育格差をどう是正するか?

・高給取り(親)が苦しまず、かつ低所得者層が高等教育を受けやすくするには

・部活動(≒ユース等)習い事、留学などの経験値を広く受けさせるには

・義務教育において学ぶべき学問は選べたほうがいいか

・地方で豊かに生きるには

・豊かさとは何か、それを実現するために必要な環境は何か

・自然と共生すること」がもたらす価値は

・・・

 

※前提について

・すべての子どもが高等教育を受けるほうが良い、もしくは個性を伸ばすための経験値を広く獲得できたほうがいいがあるが、強制させて良いのか。

・親兄弟、友人の負の影響力をどう回避するか

・子どもの自我が不安定、未成熟、または知覚範囲が狭い状態で与える経験、選択肢はどのように保管すればよいか(図書館に本を置く等、個々人の自主性にゆだねるのが良いのか。引き出すすべはないか。引き出すことのデメリットはあるか)

 

B:会社員として

自治体の役割は何か。

セーフティネット、採算性がとりづらいがライフラインに直結する事業を確実に行いつつ、ロスを減らす制度設計をどう作っていくか

・VCみたいな立ち位置がいいのか。専門性があれば物言う株主でもいいが、ない場合にどう制限するのが良いか。

 

・理想の自治体の仕組み・構造はなにか。またどう実行していくのが良いか。

 →職員の役割、動き方、評価制度

 →首長との関係、議会との関係、各部署との関連性、規模、事務分掌

 →事業評価・予算査定・流動的な予算編成方法

 →無駄を省く、税金の使い道を洗いなおす。明確にする。

 →国・県・自治体の役割と考えるべき範囲を明らかにし、即しているかを鮮明に

 →住民との共同、役割分担

 →短いスパンで変わる市長や議員に左右されない計画と進捗管理

 

・どこまで稼ぐ部分を担うべきか。

・民間にどれほどゆだねるか、ただの資金源という立場でよいのか

・公共施設がもたらしている価値は何か、住民が求めている価値は何か

・リブランディングした後の存続はだれがやるのか、別にやりたいことがあったとき、それを支える仕組みはどう担保するか

・「豊かなる衰退」で失われるものは何か、それは本当に失ってよいのか

・民意を反映させる政治家の役割は何か。政治の意味は。

・議会の意味は。

・職員に求められる気質は何か。自治体職員の役割は何か。

 

ぱっと出てくるものはこれくらいだが、正直もっと核心的な関心もぜんぜんある

 

僕の関心のルーツは沖縄だったり、友人の話だったり。

ミクロな課題をマクロな視点を踏まえて解決できる人になりたい、またロジックと人間性の両輪で、実行までできるスタイルでいたい。

 

太字にしたところが、今の僕の関心なんだろうと思う。

国、というよりは県レベルという感覚だが、そもそもの分掌を僕自身が把握しきれていないので、今日から勉強したい。本も論文も読みたいと書きながらすでに思っているのでそろそろ終わろうと思う。

(この場で考え抜くのも手なので迷うけど)

 

公務員がなりたい職業でない(≒企業・起業が本懐)ことは、ある種正当な気もする。

・最先端の技術や知識、スキルを得ることができる≒生きる力が付く

・働きに応じた評価、報酬が支払われる

・個々人のやりたいことがある程度担保される(意図せぬ、加味されぬ異動が少ない)

 

 だが、数十億~数千億の税金を集めてその使途を定め、実行していく主体である自治体のレベルが上がる、優秀かつ情熱的な人が増えることによるメリットは限りなく大きいはずだ。ノンコアな業務を雇用として生み出しつつ、コア業務、創造的、妄想的な分野を担える専門性・スキルを持った職員が増え、大きな規模感で事業を運用していく楽しみがあればとんでもないやりがいを持った職になるのではと思っている。

 僕自身がなりたいと思っていた、理想として掲げていた組織像はそんな感じだった。

※実情は知らないし、すでにそうなのかもしれない。その場合とんでもなく失礼で世間知らずな愚考である、。本当に申し訳ない。。。

 財務書類などにも表れているように、県庁、公務員の民間企業化をすすめる、競争的な部分をふやしていく、必要かつ重要な仕事で魅力があるというポジションにしていくことが僕のやりたいことなのかもしれない。

組織論、企業内部における自由主義的な競争のメリデメ、心理学、専門性の担保、スキル刷新、異動など現状のルールに対する整理、、、さぁ学ぶことが多いぞ。どうしようか(笑)

 少なくとも、この関心が得られただけでも非常に有意義だった。やはり書くことはいいことだなと思う。

 

さいごに、著者への感謝を述べたい。

この本に出合う経緯をざっと思い出してみた。

・社会科好きやな~国際関係より日本のほうが気になる

・公務員なりたいけど、前向きな理由の人ってあんまいないかも?

 

・コロナ禍でオンラインコンテンツを見始め、NewsPicksに出合う

・WeeklyOchiaiの議論に惹かれる(インテリかっこいい!!最先端おもろ!!)

・DS,ICTすご!!落合陽一すご!おもろ!!

・むず。。。。。。やばすぎる。

・なんかくまさんみたいな先生出てきた!話おもろ!!

・日本って希望に満ちてる見方もできるのか、どんな感じなんだろう?

・シン・二ホン購入

 

 時々よこしまな感情が見え隠れして実に自分らしいが、ICTとの出会い、民間企業への就職、沖縄県外への移住。予期せぬ行動が増えたのは個人的にはいい傾向だと思う。リスクを取れず失ったものもあるので、それに対してはシビアに見ないといけないし、今も根本の性質を変え切れていないのが歯がゆい。

 

 結果的に就職してからこの本を読んだのだが、希望的観測を根拠に基づいて立証し、ある程度の解決策を立案していることに、すごく前向きな気持ちになった。自治体というプレイヤーがほぼ出てこないことは少し悔しいが、自分の関心を改めて知ることができた。

 

 宮崎県新富町で安宅先生に会うことができた、握手や質問ができたことはものすごく刺激になった。同じフィールドにいることはできなくても、勝手に意思を継いで、理想を同じくして、違う部分は持って。頑張りたいというエネルギーを直接いただいた。

 地方都市の、小さな会社のしがない1年目社員だとしても、自信と関心のあるターゲットのあるべき姿を妄想しつつ、実行していく存在で荒れるように決意した。

 安宅先生、ありがとうございます。頑張ります。

 ささやかながら、今後のご活躍と健康を心からお祈り申し上げます。

 頑張ります!

 

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